CLOSE
CLOSE

2024.01.15

ニュース

健康食品

インシップ、広島高裁でも勝訴 ノコギリヤシサプリの広告表示で

健康食品通販のインシップ(本社千葉県)が販売するサプリメント「ノコギリヤシエキス」の新聞広告表示が頻尿改善効果を想起させるのは、景品表示法の優良誤認表示に当たるとして、適格消費者団体の消費者ネットおかやま(所在地岡山県)が広告表示の差し止めを請求していた訴訟の控訴審で、広島高裁は2023年12月7日、消費者ネットおかやまの請求を棄却する判決を下した。消費者ネットおかやまは、最高裁に上告する方針を明らかにしている。

インシップは、「中高年男性のスッキリしない悩みに」などと広告に表示し、ノコギリヤシのサプリメントを販売していた。

消費者ネットおかやまは2020年2月、インシップに対して、新聞広告の差し止めを求める訴訟を、岡山地裁で提起していた。

消費者ネットおかやまは、サプリ「ノコギリヤシエキス」の新聞広告の表示について、「頻尿改善効果」をうたい、「医薬品的な効能効果を表示していた」「景表法の優良誤認表示に当たる」などと主張した。

これに対し、岡山地裁は、「病名も、それが治るとも表示しておらず、医薬品的な効果効能を表示しているとまでは言えない」「ノコギリヤシの頻尿改善効果を肯定する研究報告等も相当数みられるのであるから、少なくとも個人差のある一定程度の頻尿改善効果が認められる可能性は否定しきれない」などとし、景表法上の優良誤認表示には当たらないとの判断を行った。

消費者ネットおかやまは、訴えが棄却されたのを受け2022年10月3日、広島高裁に控訴していた。

広島高裁は判決で、「適格消費者団体が、事業者に対し、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を要求できる法的根拠はなく(中略)、適格消費者団体は、事業者のする表示が優良誤認表示に該当すると疑うに足りる『相当な理由』があるときは、事業者に対し、その『理由』を示して、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料を開示するよう要請することができるにすぎず、無条件に資料開示要請ができるわけではない」「本件サプリに頻尿改善効果が否定されることについて、自ら立証すべきであるところ、控訴人は、その点について特段の立証をしない」「本件サプリには一定程度の頻尿改善効果が認められる可能性は否定しきれないと言うことができる」などとし、景品表示法上の優良誤認表示には当たらないとの判断を示した。




タグ:

おすすめの記事

PICK UP


人気の記事

RANKING

新聞のご紹介

日本流通産業新聞

詳細・購読はこちら